中3で学習する関数 \(y=ax^2\) について紹介します。

まず初めに。

中3生が勉強する関数 \(y=ax^2\) というのは、高校数学で学習する二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) の中でも特に \(b=0\),\(c=0\) のものです。

そのため、ここでは中3で学習する関数 \(y=ax^2\) を『二次関数』と呼ぶことにしますのでご了承ください。

関数はとても重要であり、とても面白い学習です。

しかも、コツをつかめば楽しく解き進められるので頑張りましょう!

二次関数 \(y=ax^2\) の勉強を始める前に

中3で学習する二次関数を勉強する前に、いくつかの準備をしておきましょう。

これさえ抑えておけば中3の二次関数攻略まではほんの少しの道のりです。

ポイント1:一次関数(\(y=ax+b\))を理解しておく

中2で学習する一次関数を理解しておくことはとても重要です。

逆に、一次関数が完璧に理解できていれば、それほど苦労なく二次関数も習得できます。

一次関数が得意なことで、初めて見る二次関数の問題が解けてしまう生徒さんも少なくありません。

「積み重ねの科目」なんて言われるだけあって、ここまでに習った計算が二次関数にも影響します。

ポイント2:因数分解・平方根・2次方程式の基礎を理解しておく

中3になってからこれまでに学習した計算を身につけておきましょう。

特に、因数分解ができないと2次方程式の問題が解けません。

そして、2次方程式が解けないと関数上の座標が求められないことがあります。

二次関数を習得しよう(基礎編)

関数の問題を解くうえでの基本的な学習方法をご紹介します。

下記の学習方法のうち、

  • 1~3は関数全般に共通する学習
  • 4~5は特に二次関数で注意すべき学習

です。

学習1:一般式を確実に覚える

問題中に「 \(y\) は \(x\) の2乗に比例する」や「放物線」という表現があったら二次関数を表しています。

これらを見つけたらすぐに \(y=ax^2\) の形が思い浮かぶようにしましょう。

学習2:正しい式に正しい値を代入する

使う式が分かったら、その式に正しい値を代入します。

「 \(x=2\) のとき \(y=-4\) である」と書いてあれば \(y=ax^2\) の式に \(x=2\) と \(y=-4\) を代入します。

同様に、点(\(2\),\(-4\))を通る場合も \(x=2\) と \(y=-4\) を代入します。

グラフを見て点(\(2\),\(-4\))を通ることが分かる場合も同様です。

このように、関数の問題の基本は「正しい式に正しい値を代入する」ことです。

学習3:グラフの交点は連立方程式を使う

2つのグラフの交点(グラフが交わっている点)の座標を求めるためには、その2つの式を連立方程式で解きます。

例えば、
放物線 \(y=x^2\) のグラフと
直線 \(y=x+6\) のフラフの交点の座標を求めるとき、
求める式は

\(
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y=x^2 \\
y=x+6
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}
\)

となります。

「グラフの交点は連立方程式で求める」ということは、高校の数学でも必須の知識ですので定着させましょう。

学習4:変化の割合を求める

二次関数の変化の割合は、一次関数と同じ式で求めます。

\(変化の割合= \frac{yの増加量}{xの増加量}\)

この公式がオーソドックスな求め方ですよね。

しかし、二次関数 \(y=ax^2\) 限定でもっと簡単に求める方法があるんです。

二次関数 \(y=ax^2\) において \(x\) の値が \(s\) から \(t\) まで増加するとき

変化の割合 = \(a(s+t)\)

となるのです!

例えば、二次関数 \(y=\frac{1}{2}x^2\) において \(x\) の値が \(2\) から \(4\) まで増加するとき、

変化の割合 = \(\frac{1}{2}(2+4)\) = \(\frac{1}{2}×6\) = \(3\)

と求められます。

※この式が成り立つ理由は5分ほどで証明できますので、興味がある中3生はぜひ教室にお立ち寄りください。
(ここに書いて紹介するにはちと面倒でござんす)

学習5:変域を求める

比例 \(y=ax\) や、一次関数 \(y=ax+b\) の学習でも変域の問題を扱いました。

変域の問題が苦手だった学生も多いのではないかと思います。

これまでの関数では意味を理解せずとも、与えられた \(x\) の値を式に代入すると答えが出てしまいました。

しかし、二次関数ではグラフや変域の意味をよく考えないと正確に求められません。

二次関数の変域を求めるコツは「簡単なグラフを描いて最大値と最小値を求める」ことです。

放物線が原点を通ると最大値または最小値の値が0になることを覚えておきましょう。

ここまでで基本的な学習はほぼ完璧です。

静岡県公立高校入試の二次関数

静岡県公立高校入試の数学では、二次関数が必ず出題されます。

配点は合計8点になることが多いようです。

そのうち4点分は上記の基礎編の内容で確実に得点に結びつけられるので必ず練習しましょう。

入試の二次関数の問題では、二次関数以外の関数が組み合わさって出題されます。

そのほとんどが一次関数 \(y=ax+b\) です。

関数上で図形の面積を扱うことも多いです。

  • 交点の座標を連立方程式で求める
  • 平行な直線は傾きが等しい
  • 三角形の面積が等しい場合は等積変形を利用

などは頻出の知識となりますのでよく練習しましょう。

とは言え、いきなり入試問題に挑戦するのではなく、まずは基礎・基本を固めておくことが重要ですね!

関数を制する者は数学を制する

学習塾いろどりでは、入試過去問演習では特に関数の問題に力を入れます。

関数を利用して、図形の問題を解くこともできます。

分からない難問に直面したときに関数は有用な武器となるのです。

しかし、それ以上に、関数は高校数学で必要になります。

二次関数・三角関数・指数関数・対数関数・微積分・・・

高校で学習するこれらはすべて関数を扱った単元です。

関数に対する苦手意識を克服しておかないと後々苦労するかもしれません。

そのため、学習塾いろどりの生徒さんたちは受験までにはほとんどの生徒が「関数は全部正解したい」という状態で入試本番を迎えます。

初めて入試過去問に挑戦する中3生の多くは、関数の問題の難しさに一度は絶望するんですけどね(笑

静岡県の公立入試までに関数の問題に自信をつけたい受験生はぜひ一緒に勉強しましょう。